ファミリープロミス    ほっ!と一息家族エピソード

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2018年05月30日    ※イラストはイメージです

母とブテイック

 テレビもない時代、夕食後にすることは何もなかった。

 ただ一つ、毛糸の巻取りを手伝った思い出は鮮明だ。両方の手首に毛糸を掛けられ、母が黙々と毛糸を巻き取っていく。手首からするすると毛糸が抜けていく。幼い私は、けっこう上手に腕を動かして母の巻取りが楽になるよう頑張っていた。時々毛糸が絡み、母がいざり寄ってきて毛糸をほぐす。静かな夜の点景。手がだるくなるくらい、長時間の時もあったが、私はこの手伝いがきらいではなかった。

648335.jpg 母は手先が器用だ。編み物も裁縫もこなした。遠足のブラウスやスカート、セーターやカーディガン・・人様が感心するほどうまく、私は鼻高々だった。私の人形の服まで、可愛いデザインで何着も縫ってくれた。

 時代とともに既製服が増え、母がミシンを使ったのは私が中学生だった時、ピアノの発表会のドレスを縫ってくれたのが最後だろう。そのミシンもいつの間にか消えた。

 編み物も肩が凝るから、という理由で遠ざかり、編み針や毛糸が詰まった大きな箱は、編み物が好きな私の友人に差し上げてしまった。

 89歳になった母だが、ブテイックを巡るのが大好き。行けば店員に専門的な質問もする。裁縫の知識、関心は衰えていない。でも悲しいかな、母は足腰が衰え、頻繁には行けない。体調と相談しながらできるだけブテイックでの買物に連れて行ってあげたい。

(60代・女性)
posted by ファミリー・プロミス at 17:50 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

娘の引っ越し

 娘の会社の寮が老朽化して建て替え引っ越しをする事となった。今までは家賃は格段に安かったが、私が若いころに住んでいた様な住居で23歳の娘が住むにはちょっと安全面でも心配な所があったのは確かだ。休日に娘が帰ってくるたびに新しい寮の進捗具合を楽しみに語っていたが、ついに完成。入居可能となり妻と同行。引っ越しに手伝いに行った。

739886.jpg 大きな家具等は同僚の男子社員がトラックを借り運びこんでくれたので、カーテンなど妻と娘が休日に新しい物を購入、新調した物を付け替えたり家具のレイアウトをしていた。私は手持ちぶさだったので新築の部屋の掃除を一手に引き受けた。自宅の掃除など妻任せでめったにしない私だが娘の為、隅々まで拭き掃除をした。

 さすが新居だけあり、今までは呼び鈴のみで外部から他人が訪ねて来ても確認できなかったが、新居には録画付きモニターも完備され私が懸念していた安全面も解消された。しっかり者の娘だけに一人暮らしをさせる事に心配はしていなかったが、私と同年代の頃を比べれば本当に大人になっている事に気づかされた。

 仕事ではもう中堅になってきているが上司には信頼され、後輩から慕われている様子も伺われる。だがまじめすぎるので弟の様にもう少し青春を謳歌して欲しいと思う親心もあった。だが他人を思いやれる所が彼女の最大の長所、若いころは二度とない。これからはこの新居で楽しい思い出が沢山作れる事を祈る。

(50代・男性)

posted by ファミリー・プロミス at 17:45 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

実家を片付けながら

1124873.jpg 父の死後母が長く守ってきた実家。その母が亡くなり、とうとう片付けが必要になった。遠隔地でもあり、短期間でやる必要もあって兄弟とその嫁、夫総出になった。捨てるもの、残すもの、再利用できるものなどに分ける。業者に来てもらって引き取ってもらうことも並行させる。それでも目に見えてきれいになるというものではない。どうしてこんなに多いのだろうと思う。

 が、三日位すると空間が多くなった。やればできる、などと冗談を言いながら、今度はこだわって持ち帰ろうとするものの話になった。真新しいジャンパーが数点あったほか、父の未使用の下着類がたくさん出てきた。今は必要なくともいずれ入用になるといって母が残していたものだ。が、よくみると首の後ろのところにマジックで姓が書きこまれている。

 大きさはよいが、これを着ていて自分が行き倒れになった時には身元不明扱いになる、と夫が言うとじゃあみんなもらっておく、と兄が手を伸ばす。それにしても供養にもなるからと数点もらうことにし、元気なうちに着用しようということになった。変な話のようであっても会話ははずむ。久しぶりの兄弟一緒の作業、湿りがちでないのが大助かりという思いがした。

(60歳・女性)
posted by ファミリー・プロミス at 08:36 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月28日    ※イラストはイメージです

小さな背中

373749.png娘が小学校に入学した。

車で幼稚園に送り迎えしていた日々が突然、ランドセルを背負っての徒歩通学。

教科書と雨合羽でずっしりと重くなったランドセルを準備しながら、入学式の翌日から私は心配でたまらなかった。

そもそも、車がないとどこにも行けない田舎に暮らし、娘にとってはどこに行くにも車だった。幼稚園では遠足に行ったことはあったが、持ち物はお弁当とお菓子程度、移動はバスや電車だった。

距離にして15分程度。入学前に何度か歩く練習をした。その時も、荷物は持っていなかった。果たして歩けるだろうか、ランドセルの重さに肩や腰を痛めないだろうか。近所には同世代はおらず、いきなり5年生と6年生だけの登校班に入れてもらうが、ついていけるだろうか…。

心配は尽きないが、初登校の日がやってきた。

集合場所に着くと優しそうな上級生の女の子たち。促されて登校班の真ん中あたりに入れてもらう娘。

一人だけランドセルが動いているかのような小さな背中の娘を見送りながら、「頑張って」と心の中でつぶやいた。

まだ始まったばかりの小学校生生活。登下校だけでなく心配は尽きないが、これからはそっと後ろから支えていこうと思う。

(30代・女性)
posted by ファミリー・プロミス at 14:23 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月14日    ※イラストはイメージです

新社会人となった息子

 息子が社会人となり10日目が過ぎた。

514681.jpg 昨年企業研修を経て就職内定を頂いてから、夏休みなど会社で先輩、上司から仕事内容を丁寧に教えられ実習を積み重ねたお蔭で、「入社しても初日から即戦力として働ける事ができたよ」と帰宅して嬉しそうに語った息子だったが、入社して1週間が過ぎた頃、一つの現場を設計図を見て自分で計算をしながら作業を進めていく、新人には難関な仕事を任せられ、上司の助言を受けながらも無事に仕事をやり遂げ「自分に合った、やりがいのある仕事に就けて本当に幸せだ」と毎日が充実している言葉を聞き、あの甘えん坊で我儘だった息子が社会人となり急に責任感がある大人になったなと感じた。

 今まで私が溺愛して陰日向に守ってきた息子だったが、学生生活が終わった日。息子からの手紙に「これからは俺がお父さんを守る番だ」と書いてあった。社会人になってから日に日に逞しい男になっていく。本当に父親でいられてよかった。

 息子の成長は私の幸せだ。息子もこれからは挫折も幸せも色々と経験するだろうが、そう遠くない将来、彼女と明るい家庭を築ける事を祈っている。私も一旦父親の役目が果たせた気がした。

(50代・男性)

posted by ファミリー・プロミス at 16:00 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ホットコーヒー

962099.jpg メンテの仕事をする夫が帰宅するなり苦笑して話しだした。その日行ったお宅は老夫婦二人暮らし。床がきしむというので、床下に潜って点検したらしい。終わるとおばあちゃんがコーヒーを出してくれた。コーヒー好きな夫はさぞうれしかったことだろう。「それがホットなんだ」と夫。私は吹き出した。

 その日は記録的な猛暑。汗だくで床下から出てきた夫を待っていたのは、熱々のホットコーヒーだったというわけ。

 「でも高齢のおばあちゃんが入れてくれたんだから、ありがたくいただいた。汗が一段と吹き出してきたけどな」

 冷たいコーヒーの方がいいでしょうけど、作り方を知らないもんでごめんなさいって、おばあちゃんは申し訳なさそうに謝ったらしい。おじいちんゃも来て、この暑いのに熱いコーヒーなんか出したのか、っておじいちゃんまで謝ってくれて、夫は恐縮したという。

 人一倍汗かきの夫。どんなにすごい汗が吹き出していたか想像できる。でも夫らしい対応に、ちょっとうれしくなった。

(60代・女性)
posted by ファミリー・プロミス at 15:48 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

狭いよね、都会の空

 孫の手を引き散歩中のことだ。はるかに飛行機のゴーという音が聞こえ、だんだん大きくなってくる。続いてバリバリバリとヘリコプターの音も。おやおや今日はなんて忙しい日なんだろう、と思っていると、孫が自分から手をほどき仁王立ちし耳を澄まして音を捉えている。

441789.jpg やがて頭の上あたりを通過するな、と思っていると、空に向かって手を振り出した。姿が見えると「あった」と叫び、振る手が一段と大きくなり、満面の笑みを浮かべる。あまりに仰向けになるので背中を支えながら、そうか、好きなんだ、空を駆けるものが、と思っていると、「ばいばい、しているのよ、この子は」とママ。

 「やがて見えなくなるでしょう。だからこの子には、さよならの対象なの」と説明を受け、なるほど、と思っていると、振っていた手を下ろして悲しそうな顔を向けてきた。「どうしたの、飛行機さん行っちゃったから」と聞くと、「ううん、見えなくなるのが早すぎるって言っているのよ」とまたママ。そうかぁ、孫が住んでいるところと違ってこの辺りは見上げる空が狭いから、と気づいた。

 「もっと見ていたかったね。おうちに帰ったらゆっくりと手を振ってあげてね」と慰めの言葉をかけてやり、もう一度手を握ってやると理解したのだろうか、気を取り直したように歩き出した。成長を見る思いがした。

(60代・女性)
posted by ファミリー・プロミス at 15:35 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月09日    ※イラストはイメージです

おむつ外れは突然に

967634.jpg我が家の双子、もうすぐ4歳。

双子ということにかまけて(?)母の私はあまり指導的なことをしてこなかった。一卵性の双子で、そこにいるだけで可愛いし、面白いし、ここまで大きくしただけでも大したもんだし、と変な自負もあった。

それが先日、保育園の先生に、「2人とも色がまだ言えないし、顔を描いてと言っても、目も鼻も口もぐじゃぐじゃだし、おむつも外れてないし・・・」と日頃の思いを一気にぶつけていただいた。

母は衝撃的だった。直視してこなかった双子の能力は、ほかの子供の成長に比べて遅いらしい。その日から焦った。進級して、春には遠足がある。遠足はおむつを外さないといけないらしい。色は3歳児検診の時にチェックされていた。他の子は3歳になればできるものなのか。

急に焦っておむつ外しを試み、色を教え、お絵かきを教えた。先生が言われたとおり、2人とも全然できない。観察していると、2人ともできないから安心している節がある。もしや、一度できたときは褒めて褒めて褒めまくったらうまくいくのでは?

案の定、ある日突然色がすらすらと言えるようになった。ある日突然、おむつの中では排泄しなくなった。突然、上手に目や鼻や口を配置できるようになった。人が能力を獲得していく様をここ数日、つぶさに観察している。

可愛いだけでよかった我が子も、少しずつ自立していると思うと、ちょっぴり切ない気もする。

(30代・女性)
posted by ファミリー・プロミス at 11:03 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

酔い上手

我が家と義姉の家族が久々に全員集まったので居酒屋で食事会を開催した。皆が集まるなんて数年ぶりである。ましてはお酒を飲むなんて初めての事。

普段は無口な甥っ子は酒を飲むと途端に雄弁で愉快になる。冷静な姪っ子もお酒が入ると笑い上戸。真面目な義姉も梅酒の梅をかき回しながら「いっもより多く回しています」と別人の様にはしゃいでいた。

706555.jpg義姉一家の楽しい別の顔が見られ驚ろかされた反面、親しみが感じられた食事会となった。妻と息子も聞き上手でお酒と料理と愉快な会話を楽しんでいた。運転係でお酒が飲めない娘と、酔っ払いが嫌いで飲み会は最近一切NGの私も4時間もの長時間。飽きる事なく楽しい時間が過ごせた。

誰も不快にさせない全員酔い上手。こんな楽しい飲み会なら何度参加してもいいや。早く他界した義兄も隣で笑っている様に思えた。義姉一家との絆がますます深まった瞬間だった。

(50代・男性)
posted by ファミリー・プロミス at 10:52 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

伝達式

 最近の母は、老い支度をゆっくりと進めているようだ。ある日、母が部屋に呼んだ。ベッドの上にワンピースが横たわっていた。「懐かしい〜!」と私は駆け寄った。紺色の縮緬素材で涼しげなワンピースは、母が祖母に買ったもの。晩年の祖母のお気に入りで、病院通いによく着ていた。

 明治女の祖母は、人生のほとんどが着物だったが、後半人生は洋服が多かった。しかし靴を履く事はなく、洋服でも足元は下駄や草履だった。アンバランスだが、祖母のそのファッションは愛嬌があり、違和感がなかった。話ずきで愛想がよくて、多くの人に好かれていた祖母。

 祖母のワンピースを手に取ると、鼻先に蘇ったのは、紛れもなく祖母の臭いだった。化粧も香水も無縁の祖母だが、不思議と何かしら時々ほのかに香った。祖母の髪は長く、病床に伏しても髪を束ね丸めた。不器用な祖母だが、髪を結うのは確かだった。祖母と香りが結びつくとしたら、洗髪に使っていた椿油だろうか。清々しい石鹸のような体臭だったのだろうか。生前に聞いておけばよかった。

819223.jpg 「そろそろ処分しようかと思って」と母が呟く。「草履もバッグもあるのよ、ほら」。驚いた。母はこれらをカビも生やさず、シミも作らずきれいに35年余り保管していたのだ。「処分しないで。私が持っておくから」と言うと、母は表情を崩し私に託した。本当はそれを頼みたかったのだろう。

 身辺整理をする母。親にとっても子にとっても寂しい季節だが、この小さな「伝達式」に、祖母が香りとなって参加していたことがちょっとうれしい。

(60代・女性)
posted by ファミリー・プロミス at 10:45 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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