記念樹が紡ぐ家族の絆 - ファミリープロミス    ほっ!と一息家族エピソード

2021年04月01日    ※イラストはイメージです

記念樹が紡ぐ家族の絆

 結婚してしばらくすると義父の求めに応じ、二世帯同居の暮らしに入った。勤めていた私は生け花を習い家に持ち帰っては花瓶に飾って楽しんでいた。

 数年すると、義父がこれを見てくれと庭の隅を指差すので、見ると松の木が胸のあたりまで育っていた。そして捨ててあった生け花に混ざっていたのを挿し木したものと言う。まあ、と思うと同時に優しい心遣いが伝わってきた。

 その後子が生まれると役所から記念の苗木をもらい、山茶花、椿と順に松の隣に植えていった。すると義母も負けずに私の木もと言い、ミカンの苗木をさらに隣に植え、いざというときに腹の足しになるからと自慢げだった。

1562933.jpg 子が小さいときは誕生日になると木の傍に行って願いごとをするようになり、叶うとお礼に行くというようなことが続いた。学校へ行くようになると花咲きを楽しむだけになったが、記念樹への思いは変わらなかった。

 やがて背が大きくなると剪定が必要になったが、その役の夫は背丈を必ず歳の順にするのが楽しそうだった。ミカンは義母に断って収穫する習わしだった。

 それぞれの記念樹のおかげで三世代の会話は絶えなかった。思わぬものが絆を紡ぐきっかけになるものと思った。

(60代・女性)

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