料理講習会 - ファミリープロミス    ほっ!と一息家族エピソード

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2019年11月09日    ※イラストはイメージです

料理講習会

094168.jpg昭和三十年代始めのある日、母は割烹着を着込んで、近くで開かれた料理講習会に私を連れて行った。当時母は幼い私を抱えて共働きの身、多忙な毎日だったが、料理講習会に出かけるとは、母の人生を振り返っても、この日一回限りである。

覚えているのは鯨の酢の物。鯨肉とキュウリ、大根、人参をゴマと酢味噌で和えたあっさりした一品で、母と一緒に、多くの見知らぬ参加者と賑やかに試食した事を覚えている。鯨肉の、舌にザラザラした感触は子どもには珍奇で印象深かった。あのでっかい鯨を想像すると不思議で妙にうれしかった。

当時まだ途上国だった日本、食材も今ほど豊富ではない。大多数の日本人は贅沢を知らず質素に暮らしていた。若い母は、鯨という目新しい素材のレシピに引かれてか、子連れでも勇気を持って料理講習会に参加したのだ。鯨の酢の物は、その後家族の人気メニューとなり、父は酒の肴に好んだ。

時代は移り鯨肉を店頭で見ることはほとんどなくなった。あの料理は我が家では幻になってしまった。もう一度、あの鯨の酢のものを食べたい。料理してみたい。もし目の前に鯨の酢の物を出したら、母は遠い日を思い出してくれるに違いない。

(60代・女性)
posted by ファミリー・プロミス at 12:30 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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