ところがその後一週間過ぎても、二週間が過ぎても何もしてくれない。さては照れ屋さんなのかと思って「ハグは?もう忘れてしまったの?」と聞くと「嬉しかったこと、とくになかったから」とあっさりと言う。せっかく教えたこともあり、もったいないことと思った私は「こうして元気に、笑顔で一日を終えることが出来ているじゃない、それって素晴らしいことじゃない?」と少々屁理屈気味の言葉を投げかけ「だからハグ」と言うと、「分かった」と言って応じてくれた。
けれども無愛想に突っ立ったままだったので「もう少し腕に力を入れないと気持ちが伝わらない」と教えるとギュッとしてくる。これで孫に本当に大きな喜びがあった時のことを思うと少しワクワクする。ハグを教えたこと、もちろん娘夫婦にも伝えた。
(60代・女性)