歳月とともに - ファミリープロミス    ほっ!と一息家族エピソード

メルマガ登録募集中!   メルマガ登録はこちらから

「家族の絆」メッセージや全国の活動の様子などをメールマガジンにて配信しています。
是非、お気軽にご登録ください。(個人情報はメルマガの配信のみに使用いたします)

2018年10月13日    ※イラストはイメージです

歳月とともに

 父は仕事人間だった。日本が高度成長に向かいつつある時代、建築会社の経理を担当していたが、いつも母と二人だけの夕食で、父の帰宅は遅かった。会わない日が続くこともあった。後でわかることだが、この頃父は独立を目指して奮闘していたのだった。

 父子でありながら、面と向かうと妙に他人行儀な雰囲気があり、私は父に精神的な距離を感じたまま大人になった。一緒に遊んでもらった記憶はないに等しい。

 大学を卒業して車の免許を取った時、父は試運転に同行してくれた。娘には無関心な父だと思っていたから、父からの誘いには驚いた。

 運転中、何かの拍子でハンドル裁きがおぼつかなくなって、咄嗟に父の手がハンドルに伸び、私の手に触れた時はドキッとした。瞬時だったが、私は生身の父の感触を初めて知ったようだった。

1219966.png それから月日が流れ、結婚式では初めて父の腕を取って歩いた。私の友人にいつも父親と腕を組む仲良し父子がいて、その様子に驚きと、羨望を抱いていた私が、初めて父との腕組みが実現した日でもあった。

 あれから30年。この間に幾度か入院した父を病院で世話しながら、体を拭いたり、手を握ったり、体を支えたり、そして今は介護する日々。子どもの時は遠い存在だったが、老いた父は今全面的に私を頼っている。

 歳月は親子の役割を変えていく。親を頼れるうれしさと安心から、今は頼られるうれしさと責任を重く感じている。

(60代・女性)

posted by ファミリー・プロミス at 11:59 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
Copyright © ファミリープロミス    ほっ!と一息家族エピソード All Rights Reserved.
当サイトのテキストや画像等すべての転載転用・商用販売を固く禁じます
Designed by カエテンクロスSEOテンプレート