よそったご飯を食卓に運んでは「どうじょ」、みんなが揃うと手を合わせて「いただきます」、終わると「ごちそうさま」と手を合わせる。「どうじょ」以外はまだ上手に口に出せないでいるが、仕草はできている。二歳児の孫はママから挨拶を仕込まれている時期のようだ。
が、家族だけでなく、他人にもできるのかなと思っていた。その日天気が良いから出かけようということになった。門扉を開けると「どうじょ」と言い、みんなを送り出すときちんと閉めることまでする。

ちょうどそのとき、郵便配達の方がバイクでやってきた。「郵便です」と言われ束を渡されると、「いつもありがとうございます」と礼を言い頭を下げた。すると孫も私の前に進み出て、ちょこんと頭を下げる。すると郵便配達の方が孫の方を見つめ「どういたしまして」とタイミングよく受けてくれた。孫は恥ずかしがってこちらを向いたが、よくできたと言って頭を撫でてやった。
「ごくろうさま」とかける言葉を背に配達の方は去って行ったが、ママがよかったね、と声をかけると孫は笑みを見せ「どういたちまちて」と真似た。やった、という達成感のようなものを小さな体に受けとめたのかもしれない。改めてありがとうとつぶやき、さあと孫を促した。
(60代・女性)
posted by ファミリー・プロミス at 11:24
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「ほっ!と一息家族」エピソード
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