実家の座敷に並べられたたくさんのご馳走、祖父母からのプレゼントや大勢のいとこに囲まれ、楽しそうにはしゃぐ3人の我が子…。
私たち夫婦は、その様子を見てほくそ笑んでいました。
はしゃげるのも、今のうちだよ…と。
賑やかな昼食が終わり、13時を過ぎたころ、いよいよその時がやってきました。
数人のいとこはすでにそわそわしています。我が子も6歳の長女だけは去年までの恐怖が蘇り、仲のいいいとこと隠れる場所を探しています。
3歳の双子の男児は、何もわかっていません。去年まではちょうど昼寝の時間にかかって、見ていないのですから。
その時、庭の方で
「うおー!」
と言う雄叫びをあげて、竹の棒を引きずる音が聞こえました。時々、竹の棒で軒下や庭をたたいている音も聞こえます。
「とうとう、やってきたね!」
旦那と目配せしました。この時を待っていたのです。

案の定、恐怖におののく子供たち。怖すぎて泣くこともできないようでした。
対面した番内は優しくて、頭をそっとなででもらった二人は、番内が去った後でも放心状態でした。
だんだん自我が芽生え、わがまま放題になってきた双子の男児。これ以降、「鬼さんくる?」が口癖のようになっています。
「鬼さんに言うよ」「鬼さんが来るよ」と言うと、わがままがピタッと止まります。子育てが、少し、楽になりました。
子供のトラウマになるとか、親のエゴだという人もいるかもしれませんが、私自身がそうやって育ってきました。
残り少なくなってた日本の古き良き伝統を、彼らの脳に残してあげられたのではないかと思います。
また、来年も参加します。
(30代・女性)
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