
彼女が亡くなって三ヶ月後、夜だけ娘が店が開くようになった。キャベツにも麺にも食器にも母のこだわりがあって、みんな商店街の人に支えられていたのをその娘が知ったことが背景にあった。供養になるからとも言っていた。

そのうち味が戻りメニューも増えだした。母の物を片付けていたら、レシピが細かく書かれた母のノートが見つかったからだと言う。「ありがとう、ごひいきに」の言葉が様になってきた。あの親にしてこの子たちありだ。うまくゆくようなら専業になっても良いと言っている。こちらの心意気にもささやかな火がともる。
女子会の回数を増やして、場所をここ一筋にしよう、メンバーも増やさなくちゃ、と思った。
(60代女性)
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