
私の実家は電車で二時間のところにある。幼児は日に日に成長していくので、その可愛い瞬間の姿をどうしても父母に見せたくて、月に一度は実家に息子を連れて行った。子供ができる前は実家に半年に一回行けばよいほうだったのだが…。

「こんなに孫に会わせてくれるお前を持ってほんとに幸せだよ。こんなに親孝行してくれるなんて、ありがたいよ」
私はほっとしたもののちょっと意外に思った。父母に息子を会わせて可愛がって欲しかっただけだったから。それでみんなが楽しければそれでいい。それが親孝行になるなんて考えていなかったのだ。
親孝行とは意識してやるものではなく、家族が繋がっていることの結果なのかもしれない。
息子も今や大学生になり実家には行かなくなった。でも私は相変わらずちょくちょく一人で実家に行っている。会って父母といろいろな話をすることが、親孝行になっているようだから。
(50代男性)
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