母からの電話 - ファミリープロミス    ほっ!と一息家族エピソード

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2014年11月25日    ※イラストはイメージです

母からの電話

family_D_2014.jpg それは遠い昔の思い出。当時私は28歳。母と意見が合わず家を出た。後ろ髪を引かれたのは、母が重い心臓病で階段を上がるのもやっとで、手術を宣告された体だったからだ。それを思うと遠くへは行けず、家出といっても近くにアパートを借り、毎日家の様子を伺い、明かりを見届けて帰宅した。

 家を出る時、管理人の電話番号を書き置いてきたが、頑固な母から電話がかかってくることはないとわかっていた。

051261.jpg 二カ月くらいしたある日、管理人が私に電話を告げた。私は風邪で寝込んでいたが、仕方なく電話口に出た。どうせ友人に違いない。が、電話口から聞こえてきたのは優しい母の声。「どうしてるの」と慈愛に満ちた声だった。それに甘えて、体調悪く寝込んでいることを告げた。心配性の母は何度も「無理しないように」と言って電話を切った。

 部屋に戻ると私は布団をかぶって泣いた。母への感謝と申し訳なさと情けなさで胸が締めつけられた。それから二時間くらいしてドアを叩く音。立っていたのは母だった。住所を探して、病弱な母が訪ねてきてくれたのだ。

 その夜は、母と一緒に小さな布団で寝た。「お母さん、私帰ってもいいかしら・・」。呟くように尋ねると母は背を向けたまま小声で言った。「帰ってきなさい」。私の目から涙が流れ、母の小さな背中も小刻みに震えていた。

(60歳女性)
posted by ファミリー・プロミス at 16:12 | 「家族の日・家族の週間2014」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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