

しかし「家の前を掃いたら続けて両隣りの前を掃くこと、集めたゴミは自分のゴミとして片付けること」と祖母からきつく言い聞かされてきたので苦はなかった。
ところが雪は違った。歳のせいもあって道路の雪を家の前に寄せるだけで精一杯だった。都会の住宅街の間口は狭く、隣接がお互いに協力しなければ上手に寄せ切れない。隣のかたと話し合いながら、こんなに親密に話すのは何年ぶりなのかしらと思った。
その後、思いがけない雪かきの効果があった。自治会内の世話役の回しが良くなるなど副次的効果が出てきたのである。雪も邪険にするだけのものでないと思った。
(60代女性)