
姉二人は社会人として自立していたため、家には両親と私、弟、妹の5人が暮らしていました。その当時、中学3年の弟が思うように受験勉強が進まず、イライラし母の言葉に反抗して一時期家庭内暴力のようになった時がありました。
生活も荒れ、部屋はちらかった状態でした。家族は一度キレたら手がつけられない弟に困り果てていました。父は無口な人でしたが、言葉ではなく行動で愛情を示してくれる人でした。

日曜日の8時になると決まって弟の部屋に入り、何も言わずモクモクと...何週間か経ったある日、弟も眠っていられなくなった様子で何も言わず一緒に掃除をするようになりました。そうして家庭内暴力がなくなったのです。
その後、弟も父の愛情を認めたようで仲の良い親子になりました。愛情を認めたというのは、弟の言葉からではなく、本人の態度で私が感じた事でした。
父が亡くなって25年経ちますが、その事を思いながら父を誇りに感じています。