このエピソードは平成25年度「国際家族デーキャンペーン」において「国際ファミリーエピソード」部門に投稿された作品です。 ⇒キャンペーンサイト
「ほっ!と一息家族」のエピソードとはまた一味違った内容ですが、一息入れて、しばし国際ファミリーのエピソードでグローバル感を味わってください。
「ほっ!と一息家族」のエピソードとはまた一味違った内容ですが、一息入れて、しばし国際ファミリーのエピソードでグローバル感を味わってください。

それで、1階に両親が住み、私たち夫婦が2階に住む半同居が始まりました。ところが、主人が田舎でなかなか仕事が見つからなかったり、主人の日本語が上達しない事とかに、両親が苛立ち始めました。
ご飯を食べないで、おかずだけ食べてしまう、自分からは何も話そうとしない、などなど。しかし、言葉の問題も簡単ではありません。主人も一生懸命勉強していたのですが、年配の人が話す口語日本語を理解できるには、相当な時間が必要でした。
また、自由に気持ちを話せる相手が、私しかおらず、ドイツ語を話すことを禁止してしまったら、主人は誰とも話が自由に出来なくなってしまいます。両親は毎日のように私に主人のことを訴えてきましたが、主人は何も言いませんでした。
そうこうしているうち、父は病気で亡くなり、母は2回の骨折を乗り越えてまた何とか歩けるようになっています。その病院の送り迎えはすべて主人がやってくれました。
今の時代は、年寄りと食事をするのを嫌がったり、家族の間でも同じおかずをつつきあうのを汚がったりしますが、主人は父の残したお弁当をきれいに食べてくれたり、両親のことを嫌がらないのです。私でさえ、時にはヤダなあと思うのに。
父も最後の頃には、主人のことが大好きになってしまい、私よりも信頼し、頼っていました。何か美味しいものがあれは、アルノに食べさせろ!何か良いものがあればアルノに上げろ!アルノ!アルノ!になってしまいました。
家の改装、庭の剪定、粗大ごみの処理、面倒臭くて大変なことはすべて主人がやってくれました。母も今では、アルノは我が家の救世主と呼んでいます。
主人はすべての難しい内容を無言で乗り越えてくれました。これからさらに主人に感謝して大切にしてゆきたいと思っています。
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