
前を通るのが怖かった豆腐屋さんの大きな真っ黒の牛。いつも全速力で通り抜けました。
おじいちゃんがハンモックを作ってくれて大いに走り回った柿山は、昆虫採集の宿題が簡単にできちゃった山でした。ハンモックでの昼寝は至福の時間でした。
タニシを採った透き通る小川。
井戸水をくみ上げる釣瓶の音。おばあちゃんがくみ上げてくれた井戸水で顔を洗うと冷たくて気持ち良かった〜。井戸の側には鈴なりのスダチの木。
ああ、夏休みがいつも楽しみだった〜。
おじいちゃんとおばあちゃんが待っている田舎に行ける。お母さんとお父さんが迎えに来るのはうれしかったけど、半分はちょっとさみしかった。もっともっと、田舎で遊んでいたかったから・・。
おじいちゃんが毎朝ひいてくれた大豆。引き立て黄粉の何と香ばしくおいしかったこと。今も黄粉を口にするたび、朝の光の中で香りが輝いていた縁側を思い出します。
メルヘンのような素敵な思い出が私にはある。なんて幸せなことでしょう。
(60代・女性)