ファミリープロミス    ほっ!と一息家族エピソード

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2019年05月11日    ※イラストはイメージです

諦めない

 昭和初期の母が着ている可愛いセーターやアップリケの付いたスカート、帽子は祖父の手作り。祖父は器用だった。

 植木の知識はプロ級で、盆栽も剪定も手がけた。さつま芋に朝顔の花を咲かせたり、いろんな植物の接ぎ木をした。フクロウやメジロを捕獲してきて私に観察の機会を与えてくれた。昆虫採集なんか、さっさと手伝ってくれた。新聞紙を煮つめて粘土様にしてくれ、粘土細工を楽しんだことも。夏の昼寝用ハンモックも作ってくれた。

 日本自体が貧しかった時代にあって、祖父は工夫の人であり、大いなる知恵の持ち主だった。仕事の合間に大工もこなし、神棚、ごみ箱、縁台、卓袱台、水屋と何でも作ってしまった。

 母がいまだに興奮気味に語るのは、祖父が自動車まで作ってしまった事。子どもの母を乗せて走ったという。村人は感嘆し、大勢が見に来た。母はその車で学校まで送ってもらい、大騒ぎになって恥ずかしかったという。世が世なら、マスコミに取り上げられ一躍有名人になったことだろう。

  祖父の好奇心は果てしなかった。私が生まれる前には、役者の経験もあり、女形姿の写真はまっこと美しい。

 幼ない時に見た祖父の大学ノートには英単語がびっしり並んでいた。学歴はないのに、不思議と英語ができた。英単語の一つ一つを、幼い私に教えてくれた記憶が蘇る。

 そんな祖父が脳卒中で倒れ、身体の自由を奪われ、言葉もうまく発声できなくなったのは六十代半ばだったろうか。今の医学と違い、リハビリもない。動かしてはダメという時代。話好きで、毎日のように近所の人々を招いて、南部鉄瓶でお茶をもてなしていた祖父。言葉をなくした悲しみはどんなに大きかったことだろう。おまけに体も動かない。祖父は言葉が伝わらないはがゆさを笑いに変えていた。本当はとても辛かったはずなのに、私達まで一緒になって笑ってしまうこともあった。

 そんな体になっても、やりたいことが頭を駆け巡っていた。時折、床を這い出して杖をつきながら、気の遠くなるような時間をかけて縁台を作り始めた。家人がやめるよう言っても、ただ笑いながら、不自由な手足で危なっかしく作業を続けていた。1年もかけて、素晴らしい縁台が出来上がった時、家族は感動して言葉がなかった。祖父はへらへら笑って、自ら作り上げた縁台に腰を降ろした。言葉が喋れていたら何と言っただろう。「ほら見ろ、心配するな。こんな体でもできるんだ」・・。

 祖父の体調は徐々に悪化していったが、震える手で、自伝を書き始めた。その字は年々読みづらくなっていき、とうとう鉛筆を持てなくなった。その後は私が口述筆記をしたが、聞き取りだけで時間を費やし、祖父にとっても私にとっても根気のいるものだった。祖父の人生記録は、明治から大正と移った辺りで中断した。もう口述すらできなくなっていたのだ。

 祖父は79歳で眠るように亡くなった。教えてくれたことは、あくなきチャレンジと好奇心、いつも前向きなこと。寝たきり生活10年余りでも、笑顔の方が多かった。そして最後まで何かをやり続けた。諦めなんて、祖父の辞書にはなかったのだ。

(60代。女性)
posted by ファミリー・プロミス at 00:28 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

スマホデビュー

477892.jpg ついに私がスマホデビューした。娘がスマホを買い替える時、妻が同行しガラ携からスマホに買い替えた事で、家族でガラ携は私だけとなった事やガラ携のカメラも壊れた事から私もスマホに買い替えた。

 子供たちがラインでスタンプやら写真など色々送ってくるがパソコンだとどんな長文でも容易い私が馴れないせいかラインを10文字返信するのに5分もかかるので、ラインを返す煩わしさを感じていた。

 そんな時娘が私のスマホに沖縄旅行や箱根旅行の写真や動画を転送してくれた。楽しかった旅行の想い出、記憶が蘇る。こんな機能も付いているのか。自由自在にスマホを操る子供たちに負けないように私は現在スマホと友達になれる様努力を続けている。

 呼びかければ「何でしょう?」答えてくれるし携帯電話、パソコン、スマホと時代ごとに便利な世の中になった。このスマホにはこれから家族の楽しい想い出がどれだけ記憶されるのだろうか?カメラとアルバムを同時に持っているようで今から楽しみである。

 昭和、平成、令和と年号も変わり私も時代に乗り遅れない様に頑張っていこう。

(60代・男性)
posted by ファミリー・プロミス at 00:21 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

作戦にかかったかな

562075.png タブレットに動画が入ってきた。孫が子供自転車にまたがり颯爽と漕いでいる。かなりスピードが出ているはずなのにふらつきがない。あれ、それに補助輪も見当たらない。そうか、補助輪なしで乗れるようになったことを爺婆に見せたくて送ってきたのか、と思った。

 車の来ない道を繰り返し往復している。そのうち音楽が入り、孫の顔のアップも入り出す。どうだとばかりに微笑んでいるのが頼もしく見える。けれどサドルは大分下げられている。安全を配慮した親の心遣いが透けて見えて微笑ましい。

 爺婆の子どもの頃は子供用自転車などまだなく、いやあっても高くて買えなかったことから、大人の自転車を三角乗りしたものだが、後ろをしっかり押さえてもらうなどして人の手を借り、練習に相当な日時を要した記憶がある。

 このあとサドルを上げ、片手運転などできるようになると、もうひと回り大きなものが欲しくなってくるのだろう、と思い始めた動画の終わりごろ、メッセージが入ってきた。次の自転車もお願いね、ですって。やっぱりと思うと同時にまあいいかと思って爺を見ると、爺もしっかりとそして何度も頷いていた。

(60代・女性)
posted by ファミリー・プロミス at 00:17 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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