ファミリープロミス    ほっ!と一息家族エピソード

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2018年11月05日    ※イラストはイメージです

30年ぶりのラブレター

10月25日は結婚記念日。以前は仕事から帰宅し子供たちから突然「おめでとう」と祝福されても、私は結婚記念日だった事も忘れ「給料日ってそんなにめでたい日?」と言ってしまい妻や子供たちに呆れられた恥ずかしい過去もある私であったが、今年は事前に息子にプレゼンを頼んでおいた。

息子から娘に「お父さんのプレゼントでお母さんが喜ぶものは何?」と相談を受けた娘が「お父さんもやっと成長したね」と感心されつつ妻に喜ばれるプレゼントを用意した。

publicdomainq-0012589tsi.jpg結婚記念日当日、明日仕事が休みで夕食時帰省した娘が「結婚記念日おめでとう」と書いてあるケーキを持参して祝ってくれた。妻は「ありがとう。でもお父さんは絶対忘れてるよね」と私の方を見た時、満を持してそのプレゼントを渡した。

今回のプレゼントにはいつもと違い私の妻への感謝を込めた手紙もいれておいた。だが記念日が過ぎ何日経っても妻から手紙の事は何にもふれてこない。「おかしいな。読んでいないのかな?」と思い妻の寝室に行くと義母の遺影のそばに大事そうに私の手紙がしまってあった。

今まで恥ずかしくて言えなかった言葉を妻が受け止めてくれていた事がうれしかった。夫婦って他人同士なのに何でこんなに絆で結ばれているのだろう?今まで当たり前だと思っていた事が本当はすごく有難い事だったと、この年齢になってやっとわかった気がした。

(60代・男性)
posted by ファミリー・プロミス at 13:49 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

引っ越し

387371.png引っ越しを宿替えと言ってた時代、私は小学生。引っ越しが決まれば、全て手作業、自前で準備。知り合いにトラックの手配、手伝ってくれる友人知人の手配。母が連日、ありったけの新聞紙で割れ物をくるみ、布団袋に布団を詰める。母の段取りは抜群で最後の最後まで、何一つ不便、不自由することなく、それでいて荷物はきれいに片付いていった。

ところが、引っ越し日が近づくに連れて、台風接近という想定外の不安が押し寄せてきた。母は毎日ラジオを聞きながら台風情報に合わせて荷造りを進めていた。逸れてほしい、との願いも空しく、台風は予定日を直撃し引っ越しは延期。嵐の中で何を食べ、何をして過ごしたのか記憶にないが、部屋の異様な雰囲気が思い出される。

停電の中でろうそくを灯していた事、父はいつも帰りが遅くて一緒に過ごす機会など滅多にないが、台風と引っ越しのお蔭で、ほぼ1日中家族一緒にいたうれしさ。暴風の不安の中で、幼心に家族の絆みたいなものをうっすらと感じていたような。殺風景な室内で妙に充実感があった。

翌日、父の友人が手伝いに来てくれた。いつもと違う時間の経過に、引っ越しというイベントにとても心が弾んだものだ。

トラックの荷台に私は家具や荷物と一緒に乗り込んだ。トラックを吹き抜ける風の爽やかな事! 一段落すると、忙中閑をぬって、母が手際よく、引っ越し先の煩雑な中、おいしいそばを作ってくれた。父の友人もおいしそうに食べていた。

引っ越し業者も、コンビニも、スーパーもなく、ただ自分達でするのが当たり前の時代。そんな時代をてきぱきと切り抜け、やりくりしてきた両親に、今更ながら敬服する。

その後幾度かの引っ越しを経験したが、何と便利なことか。時折去来するのはあの、台風一過の引っ越しにはしゃいだ幼い幸せ。友人知人が総出で手伝ってくれた暖かい引っ越し。昭和の古き良き時代の引っ越しを体験していることを、うれしく思う。

(60代・女性)
posted by ファミリー・プロミス at 13:39 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

そうだ、トレーニング

494604.jpgタブレットを使いこなせるようになると孫の動画の到着がより楽しみになった。今日はないかしらと帰宅するとすぐに操作する。あると夫を呼んで二人で見入る。

その日は園児の運動会だった。数人が並んでスタートに立つ。そしてよーいドン。十メートルも走るとトップに立った。あの子早いわ、の声も入る。息を飲んで見つめていると、二番手をかなり引き離し、最後は両腕をかき回すようにして笑顔でテープを切ったが、その光景になぜかホッとした。脇目も振らず駆け抜ける子でなくてよかったと。楽しんでいる様子が伝わってくる。

が、すぐに待てよ、という思いもした。今競争したら爺婆は負けるのではないかと。以前走り比べをしたときはほんのちょっとの勝利だった。その時も笑みを見せていた。

そうだ、次に会うまでにトレーニングをしなければと思う。連れ立って散歩しながらの急発走にも対応しなければならない。動画を見る限りもはや勝てる気がしない、と夫は言い出している。娘からは年が明けたら帰省すると連絡があった。年甲斐もなくちょっと焦っている。

(60代・女性)
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2018年10月22日    ※イラストはイメージです

初めての壁

小学1年生の長女が現在初めて人間関係の壁にぶち当たっている。

同じクラスの女の子2人に意地悪言われたり、時には娘の物に傷つけたり軽くつねられたりしているようだ。

2か月前に「学校に行きたくない。○○ちゃんと××ちゃんに意地悪されるから」と娘が言って、初めてその事実を知った。

初めはまだ始まったばかりの小学校生活で向こうの子も慣れないところがあったり、娘の言い分だけ聞くのは良くないと静観していた。しかし、他の子や他の子のお母さんからも同じようなことを聞くと、心配になってくる。

こんな時、どうしたらいいか、私にとっても初めてで、おろおろしてしまう。とりあえず、今度の授業参観の後で、担任の先生に娘の言っている事実を伝えるつもりでいる。

school_sansyamendan-768x768.png私も同じく女子として生きてきた過去があり、女子の人間関係は、本当にしんどかった。下手に親が出ていくとややこしくなることも経験上分かる。

幸い、娘には何でも言い合えて、家族ぐるみで付き合っている同級生がいる。

その子の存在がどれだけ娘にも、私にも支えになっていることか。親になってみて初めて分かる、子供の人間関係への介入の難しさだ。

これからも女子の世界の荒波を生きる娘に、絶対的な味方として母の私は支えていくつもりである。

(30代・女性)
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2018年10月13日    ※イラストはイメージです

歳月とともに

 父は仕事人間だった。日本が高度成長に向かいつつある時代、建築会社の経理を担当していたが、いつも母と二人だけの夕食で、父の帰宅は遅かった。会わない日が続くこともあった。後でわかることだが、この頃父は独立を目指して奮闘していたのだった。

 父子でありながら、面と向かうと妙に他人行儀な雰囲気があり、私は父に精神的な距離を感じたまま大人になった。一緒に遊んでもらった記憶はないに等しい。

 大学を卒業して車の免許を取った時、父は試運転に同行してくれた。娘には無関心な父だと思っていたから、父からの誘いには驚いた。

 運転中、何かの拍子でハンドル裁きがおぼつかなくなって、咄嗟に父の手がハンドルに伸び、私の手に触れた時はドキッとした。瞬時だったが、私は生身の父の感触を初めて知ったようだった。

1219966.png それから月日が流れ、結婚式では初めて父の腕を取って歩いた。私の友人にいつも父親と腕を組む仲良し父子がいて、その様子に驚きと、羨望を抱いていた私が、初めて父との腕組みが実現した日でもあった。

 あれから30年。この間に幾度か入院した父を病院で世話しながら、体を拭いたり、手を握ったり、体を支えたり、そして今は介護する日々。子どもの時は遠い存在だったが、老いた父は今全面的に私を頼っている。

 歳月は親子の役割を変えていく。親を頼れるうれしさと安心から、今は頼られるうれしさと責任を重く感じている。

(60代・女性)

posted by ファミリー・プロミス at 11:59 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

還暦祝い

1033374.png 私の還暦祝いに娘が妻と私を箱根まで旅行に招待してくれた。ロープウエイが落雷の為、運航中止になりそうになったり、旅館がある強羅まで近道と小さく書いてある山道を登ると、高齢者ではとても登れそうにない険しい山道だったりとハプニングの連続だったが、家にいるとツンデレな妻が、私の事を細目に気遣ってくれた事が嬉しく、天気は悪天候だったが、私の気持ちは日本晴れ。

 ようやく旅館につくと赤いちゃんちゃんこと帽子が用意してあった。気持ちが若いせいか還暦になっても着るつもりはなかったが、なぜか自分から着て妻と娘と記念写真を撮った。私は恰幅が良いせいか赤いちゃんちゃんこと帽子をかぶると恵比寿様そのもの。その姿を見て妻と娘も「ご利益」「ご利益」と私の頭を撫で笑っていた。

 大浴場に行くときに「ゴキブリが出た」と娘が大騒ぎ。冷静でしっかり者の娘があれだけ取り乱す姿も久々に見られ私の還暦祝いは想い出深き記念日となった。今回の旅行には仕事が多忙の為不参加だった息子だが、ファッションセンスがない私のために旅行用の服を一式プレゼントしてくれた。良い家族に恵まれた私は本当に幸せ者だ。

(60代・男性)

posted by ファミリー・プロミス at 11:50 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

蝉になむなむ

229528.jpg 孫を連れて恒例のお彼岸の墓参り。慣れぬ手つきで柄杓で水を汲み、濡れ雑巾で石拭きなどを手伝ってくれた。花を供え線香をあげたあと親を真似手を合わせて終了する。

 細い石段を降りながらの帰り道、お寺の猫が盛んにパンチを繰り出しているに目をつけ孫が近づいてゆく。仰向けになっていた蝉にジャレていたのだ。しばらく眺めていたが、可哀想という顔付きをするので猫を払い蝉を取り上げると傍にきた。恐る恐るの様子でつまむが、表情は変わらない。「なら、いい子いい子してあげたら」と言ってやると背中を撫でた。でも表情が変わらないので、「なら、土に返してやったら。大きいじじばばと同じように」と言うと、娘がすかさず「土に埋めてやるってことよ」と補足してくれた。

 すると、石段の脇の土の部分を石でほじくりだした。小さな穴ができるとそこに蝉を埋め、土をかぶせた。枯れた枝を折って土に刺してやるとしゃがんで手を合わせる仕草を始めた。そして振り返り催促する。揃って手を合わせてやると満足気な顔つきで「ない、ない」と言い埋めた土の上をポンポンしている。片付けるのを「ない、ない」と表現するようになっていたが、「なむ、なむ」に聞こえたような気もした。気持ち優しく育っていると嬉しくなった。

(60代・女性)

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2018年09月19日    ※イラストはイメージです

応援合戦!

小学一年生の娘の運動会の日がやってきた。

夏休みが終わってからと言うもの娘の家での話題はもっぱら運動会の練習の話。とりわけ応援合戦についてだった。
応援合戦で歌う替え歌、衣装、振付。リーダーの6年生が優しいこと。
聞くと、娘の学校は4色の縦割りで色別応援合戦があるらしい。娘は、他の色の振付まで覚える張り切りぶりだ。

917596.jpg運動会当日は、秋晴れとなった。
各学年の競技と昼食の後、いよいよ応援合戦の時間になった。
娘の色は一番最初に本部席に向かって並ぶ。
1年生なので一番前の列でよく見える。

いよいよ音楽が鳴って、演技がはじまった。
一生懸命練習したせいだろう。6年生の男の子も女の子も声が枯れている。必死で準備した様子が伝わってくる。
小さな娘も一生懸命大声を出している。
思わず胸が熱くなるような数分間だった。

なぜ、子供はこんなにも必死で何かに打ち込めるんだろう。そして、子供が一生懸命な様子はなんて人の胸を打つんだろう。

私も何かに打ち込みたくなった時間となった。
自宅に帰って、娘をたくさん褒めてやった。

(30代・女性)
posted by ファミリー・プロミス at 18:17 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

強いお父さん

udezumou_boy.png私は学生時代柔道で県の強化指定選手になった事もあり、腕力だけは自信があった。特に腕相撲では負けた記憶がない。今月の20日で60才を迎えるが、40代、50代になっても職場の若手と腕相撲で真剣勝負をしても圧勝を続け、息子とも小学生時代から毎年腕相撲をしてきた。両手でやったり、かなりハンデをつけてやっても私には勝てない息子は悔しがって毎年挑戦を続けた。

だが成人を過ぎた息子に昨年あたりから私も苦戦する様になってきた。大熱戦の末体格で勝る私はようやく息子に勝つ事ができた。だが今年の息子は一向に挑戦をしてこない。「どうだ。久しぶりに腕相撲をするか?」と私が腕を差し出すと、「もうお父さんと腕相撲をするのはやめる。」と言う。

理由を聞くと「俺の記憶の中ではお父さんは強い人。ずっと強いお父さんのままでいて欲しい。俺がもし勝ってその想いが薄れていくのは俺には耐えられない」と断られた。いつかは息子に腕相撲で負けて私の無敗記録は途絶えるだろうと思っていたが、息子の私に対する想いの前に、親子での腕相撲勝負は昨年で終わりを告げた。

でも息子の想いを聞いた時、目頭が熱くなった自分がいた。

(50代・男性)
posted by ファミリー・プロミス at 18:14 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

朝顔

1137433.jpg朝顔がすき。午後にはしぼんでしまうのに、朝起きると元気よく咲いている様子がうれしくて、幼い頃庭の一角に母が作った「朝顔園」の前でよく遊びました。母はその横で洗濯物を干していました。ジャリジャリした葉っぱの毛を触るのも面白かったし、ビロードのような花びらに朝露がのっているのがきれいで、母の洗濯干しが終わるまで飽きもせず眺めていたものです。

夏が終わり朝顔の種を取るのも楽しいひとときで、母と一緒に夢中で取りました。手のひらにコロコロ集まっていく三角形の黒い種。あっという間に私と母の手の中は種でいっぱいに。また来年咲いてね、また会おうね・・と祈りつつ、花という生きものを幼心に愛おしく思ったことです。

朝顔は、私にとって思い出が詰まった夏の顔。夏の朝のリンとした空気までが蘇ってくる愛しい花。遠い夏の日が鮮やかに思い出されます。そして若い母の元気な姿も脳裏にはっきりと浮かび上がってくるのです。

(60代・女性)
posted by ファミリー・プロミス at 18:09 | 「ほっ!と一息家族」エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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